外国人留学生をアルバイトで雇う場合の注意点

外国人雇用

近年、コンビニや居酒屋で働く外国人の姿をよく見かけるようになりました。人材を確保するため、外国人留学生をアルバイトで雇いたいと思っている企業も多いのではないでしょうか。

しかし、留学生は本来「教育」を受ける目的で日本滞在を許可されているため、アルバイトなどの仕事をすることは原則禁止されており、働くためには必要な手続きを踏まなくてはなりません。

今回は、外国人留学生をアルバイトで雇う場合に必要となる手続きや、どのような点に注意すべきなのか、詳しく解説します。

留学生がバイトをするための資格とは?

(1) バイトをするには資格が必要

外国人留学生は勉強するために滞在を許可されており、「留学」の在留資格で日本に滞在しています。ただし、生活費や学費などを補うためにバイトをする必要があれば、許可を受けることで、働くことができます。それを「資格外活動許可」といいます。

この許可を受けずに働くと、留学生は「不法就労」として罰せられ、採用した会社側も罪に問われる可能性があります (3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金) 。そのため、採用する際には、「資格外活動許可」を受けているか、本人の「在留カード」で必ず確認する必要があります。

ちなみに「資格外活動の許可」は、居住地を管轄する入国管理局で取得しますが、多くの場合、留学生が通っている大学や専門学校などが手続きの取次をしてくれます。

(2) 働く時間と職種に制限あり

「資格外活動の許可」を得ているからといって、「どんな仕事をどれだけしてもOK」というわけではありません。

留学生の本分は日本で勉強することなので、労働時間は原則として「1週間28時間以下」と定められています。いくつか掛け持ちでバイトをしている留学生の場合、すべてを合わせて28時間以下としなくてはいけないので注意してください。ただし、夏休みなどの長期休暇中は、例外として1日8時間、週40時間まで働くことができます。

また、バイトが禁止されている、つまり「資格外活動が許可されない」職種もあります。

例えば、パチンコ店、ゲームセンター、風俗関連などの店は、学生が働くのにふさわしくないと判断されるため、留学生を雇うことはできません。

(3) 「資格外活動許可」には期限がある

「資格外活動許可」の有効期限は、在留カードに記載されている有効期限と連動しているので、在留期限が切れると「資格外活動許可」も消滅してしまいます。さらに、「在留期限の更新」をしても「資格外活動許可」が自動に更新されるわけではなく、別途、更新の手続きが必要となる点には注意が必要です。

期限が切れているのに働き続けていると、会社側も罪に問われる可能性があるので、本人任せにせずに、チェック体制を整えておくべきでしょう。

日本人を雇うのと同じルールが適用される?

外国人留学生をバイトで雇う場合でも、日本人のバイトを雇うときと同様に、労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法などの法律が適用されます。

そのため、最低賃金を下回ることは許されませんし、労災保険にも加入する必要があります。

所得税の源泉徴収はどうする?

所得税も基本的には日本人と同じように源泉徴収の手続きをします。

ただし、留学生の出身国によっては、租税条約や租税協定の中の学生条項によって免税されるケースがあります。条約を結んでいる国としては、例えば、中国、韓国、ベトナム、フィリピン、ベトナムが挙げられます。免税措置を受けるには、給与の支払日の前日までに、「租税条約に関する届出書」を事業者の所轄税務署に提出する必要があります (国によって免税内容が異なるため確認が必要です) 。

外国人雇用状況の報告

たとえアルバイトであっても、外国人を採用したとき、あるいは、離職したときは、「外国人雇用状況の届出」が必要になります。

届出は、事業所管轄のハローワークに出向くか、オンライン (外国人雇用状況報告システム) で電子申請をする方法があります。届出期限は、採用と離職、いずれも翌日末までです。

ただし、短期のバイトを雇う場合は、離職時にまとめて届出をすることが認められています (様式に雇い入れ日と離職日を両方とも記載します) 。

届出は事業者の義務なので、怠ったり、内容に虚偽があった場合は、30万円以下の罰金が科せられる可能性があるので、忘れないように注意しましょう。

おわりに

外国人留学生をアルバイト採用する場合は、外国人ならではの注意点が色々あるので注意が必要です。「不法就労」にならないよう、面接時に「資格外活動許可」を受けているか、必ず確認するようにしましょう。労働時間にも制限がありますので、「他社でもバイトをしていないか、する予定はないか」を確認することが重要です。

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