景表法に違反したらどうなる? ①調査と措置命令

会社法

うそや大げさな広告表示など、消費者をだまして商品やサービスを購入させるように仕向ける行為は、「景品表示法 (景表法)」という法律で禁じられています。

例えば根拠がないのに「業界売り上げNo.1」という表示をしたり、「今だけ限定価格」と表示をしておいて普段と変わらない価格で販売したりすると、法律違反になります。

消費者にアピールする広告表示は頻繁に行われるため、うっかり違反してしまった! ということも十分に起こり得ます。今回は、もし景表法に違反したらどうなるのか、どんな罰則があるのかについて説明します。

消費者庁・都道府県知事の調査

消費者庁もしくは都道府県知事 (以下「消費者庁等」といいます) は、景表法違反が疑われる不当な表示などを見つけた場合、関連資料の収集、事業者への事情聴取などの調査を実施することになっています(景表法の違反を迅速に規制できるよう、都道府県知事にも景表法の運用権限があります)。

具体的には、消費者庁等から、報告事項や質問事項を記載した様式が送付され、企業はその「報告書の作成・提出」を求められます。消費者庁等は、企業から提出された報告書の内容を検討し、今後調査を進めるか、行政処分 (措置命令・課徴金納付命令) や行政指導を行うかの判断を行います。また、報告書の提出前後を問わず、事情聴取が行われることもあります。

この報告書は通常2週間程度で、提出せねばならず、今後の調査方針を決定する重要なものですので、可能な限り専門家に相談のうえ作成するようにしましょう。

なお、提出後に追加質問や資料の提出依頼を受ける可能性もあります。

弁明の機会

消費者庁等の調査の結果、違法行為があると判断された場合、企業には「弁明の機会」が与えられます。期限は2週間程度です。例えば、「広告表示をした根拠となる資料がある」場合や、「その表示を見た消費者が誤解する可能性はない」と思う場合などは、その旨、主張します。

措置命令

調査と弁明の機会を経て、なお違反行為があると判断された場合、消費者庁等は「措置命令」を行います。具体的な内容は下記のとおりです。

① 違反行為の差し止め

② 再発防止策の実施

③ 違反したことを一般消費者に周知すること

③ 今後同様の違反行為を行わないこと

措置命令に違反した場合は罰則規定があります。また、措置命令が行われた場合、企業名が公表されます。

さらに、課徴金の納付が命じられますが、それについては別の記事で説明します。

指導

違反の事実が認められない場合であっても、違反のおそれのある行為がみられた場合は「指導」が行われます。行政指導のひとつで、企業名は公表されません。

おわりに

景表法に違反し措置命令を受けると、企業名が公表され、消費者の信用を大きく失うことになります。万一、消費者庁から景表法違反のおそれが指摘された場合は、専門家に相談しながら、慎重に調査対応を行うことをおすすめします。

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