外国人労働者を雇う前に確認すべき、在留資格とは?

外国人雇用

外国人労働者を雇用する際には、その外国人が日本での就労が認められているかどうか、「在留資格」を確認する必要があります。では、「就労を認められた外国人」とはどのような人を指し、「在留資格」とはどのような資格なのでしょうか? 以下、詳しく説明します。

在留資格とは?

在留資格とは、外国籍の方が日本に滞在するために必要な資格です。在留資格は以下のように (1) 〜 (4) の4カテゴリーに分かれ、全29種類あります (詳細は、法務省出入国在留管理庁の在留資格一覧表を参照してください:https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/qaq5.html) 。

(1) 就労が認められる在留資格:19種類 (人文知識・国際業務、技術、技能実習、特定技能など)

専門的・技術分野において、与えられた在留資格の範囲内で就労することができます。

(2) 身分・地位に基づく在留資格:4種類 (永住者、定住者など)

活動の制限がなく、様々な分野で就労することができます。

(3) 法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動:1種類 (ワーキングホリデーなどの特定活動)

ワーキングホリデーは、二国・地域間の取決め等に基づき、各国が、相手国・地域の青少年に対し、休暇目的の入国および滞在期間中に一時的な就労を認める制度で、労働時間に制限はありませんが、最長1年の期限があります。

(4) 就労が認められない在留資格:5種類 (留学、観光客、家族滞在など)

就労を認められていませんが、許可を得ることで、週28時間までアルバイトなどの就労活動をすることができます。

「就労ビザ」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは「就労が可能な在留資格」の俗語として用いられている言葉です。

在留資格は、「在留カード」で確認することができます。在留カードとは、中長期滞在する外国人に交付される身分証明書で、氏名、性別、国籍などの基本情報や、在留資格、在留期間、就労の可否など日本で滞在するうえで必要な情報が記載されています。

どの在留資格で働いている外国人が多い?

2020年の厚生労働省の統計によると、外国労働者数は約172万人で、在留資格別では下記のようになっています。

(1) 永住者、定住者等:約49.6万人
(2) 専門的・技術的分野の在留資格:約27.7万人
(3) 技能実習 (各産業の技術習得が主目的の研修生) :約30.8万人
(4) 特定活動 (ワーキングホリデー) :約3.6万人
(5) 資格外活動 (留学生のアルバイトなど) :約34.4万人

このうち、特に増加しているのが技能実習です。特定技能は労働力不足に対応するため、出入国管理法改正により2019年4月に導入された制度で、10年前と比べて約3倍に増えています。

在留資格の取得方法

在留資格の取得方法は、①入国後に自身で必要書類を用意し入国管理局へ申請する方法と、②入国する前に日本にいる代理人 (雇用主など) に「在留資格認定証明書」を申請してもらう方法の2つがあります。自身で申請する方法は言語の問題等で難しいため、②の日本にいる代理人に在留資格認定証明書を申請してもらってから入国する方法が多く取られています。

不法就労

許可や権利のない外国人が働くことを不法就労といいます。不法就労をしてしまった場合、「勘違いをしていた」、「知らなかった」では済まず、罰則を科されてしまうので、くれぐれも注意が必要です。よくあるケースとして、下記のものがあります。

ケース1:在留資格を得ずに、「ビザ」だけで働いてしまう

ケース2:在留資格を取得しているが、認められている範囲外の労働をしてしまう

ケース3:在留期間を超えたにもかかわらず、更新せずに滞在し、働き続けてしまう

在留資格の注意ポイントとは?

まず企業が確認すべきことは、「任せたい業務内容を許可する在留資格はどれか?」という点です。在留資格ごとに、活動内容の制限範囲が異なる点に注意が必要です。

採用したい人が、該当する在留資格を持っていればベストですが、持っていない場合は、在留資格申請の手続きをとることになります。

おわりに

外国人を雇う際は、就労可能な「在留資格」を有しているかどうか、必ず確認が必要です。ルールを破ると処罰対象になってしまいますので、確認を怠らないよう注意しましょう。

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