企業が行う懸賞は、賞品やサービスの売り込みや、ブランドイメージ向上に有効であるため、キャンペーン手法としてよく利用されています。
ただし、応募条件に商品やサービスの購入または来店条件が必要な場合、景品表示法により、景品には上限額が設定されています。例えば、商品のシールを集めて応募する場合や、来店先着順で粗品をプレゼントする場合などが該当します。
一方で、インターネット上の懸賞には、何も買わなくても応募できるタイプのものが多いと思いますが、その場合も景品表示法の適用はあるのでしょうか?
今回はインターネット上の懸賞を行う際の注意点について説明します。
インターネット上の懸賞企画とは?
インターネット上で行われる懸賞企画には、例えば以下のようなものがあります。
・ウェブサイト上からの無料会員登録で応募できる
・ウェブサイト上でアンケートに答えると応募できる
・LINEの友だち登録をすると応募できる
・Twitterで# (ハッシュタグ) を付けて拡散すると応募できる
このような、応募条件に商品の購入が含まれていない懸賞を「オープン懸賞」といい、景品表示法の規制が適用されません。そのため、景品の金額に上限がないことになります。
消費者庁が公表している『インターネット上で行われる懸賞企画の取扱いについて』によると、商品の販売サイトを見なければ、懸賞のページにアクセスできない仕組みだったとしても、「懸賞に応募しようとするものが商品やサービスを購入することにただちにつながるものではない」として、景表法は適用されないとしています。
インターネット上で商品を購入しないと応募できない場合は?
商品やサービスを購入しなければ応募できない場合は、「取引付随性がある」として、オープン懸賞には当たらず、景表法が適用されます。
そのため、景品には「取引価額の20倍まで」という規制がかかります。
懸賞の当選者への景品の引渡しを店舗で行う場合は?
懸賞をインターネット上で行うとしても、当選者に店舗まで来てもらって景品を引渡す場合は、オープン懸賞といえるのでしょうか?
異論もあるようですが、「来店が条件」で景品を引き渡す場合は、オープン懸賞には当てはまらず、景表法の規制がかかる可能性が高くなります。
おわりに
SNSやウェブサイトを利用した懸賞の実施は、多くの消費者をターゲットにできるうえ、商品やサービスの認知度アップにつながるため、非常に効果的な販促手法といえます。その際、オープン懸賞に該当するのであれば景品の限度額を気にする必要はありませんが、商品の購入や来店を条件にしてしまうと景表法の規制がかかりますので、注意しましょう。
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