「今ならたったの1000円!」など、お得さをアピールした広告表示に要注意

会社法

消費者に商品やサービスを購入してもらうために、安さをアピールした広告表示をすることがあります。例えば、「県内で最安値」や「メーカー希望小売価格の半額」のような表示は、店先や店内、ネット広告などでもよく見かけますね。

でも、そのように、商品やサービスの価格などが「とてもお得だ」と消費者に思わせておいて、実はそうではなかった場合、景品表示法の「有利誤認表示」として処分の対象になり、多額の課徴金納付命令が下される場合があるため、注意が必要です。

今回は「有利誤認表示」とはどのような広告表示に該当するのか、具体例とともに説明します。

有利誤認表示とは?

「有利誤認表示」とは、消費者に「今購入したほうが有利だ」と誤認させてしまう表示のことをいいます。より詳しく説明すると、価格や取引条件などが

① 実際のものよりも、著しく有利 (とても安い、お得) と思わせて、事実が異なっている表示

② ライバル他社よりも著しく有利 (とても安い、お得) と思わせて、事実が異なっている表示

が有利誤認表示です。

同じく景表法で禁じられているものに「優良誤認表示」があります。

有利誤認表示が「商品やサービスの取引条件」についての不当表示であるのに対し、優良誤認表示は「商品やサービスの品質」についての不当表示という点で、異なります。

有利誤認表示の典型例

次に、典型的な有利誤認表示について、いくつか紹介します。

・「本日に限り特別価格500円」と表示しておいて、実際はいつも500円で販売している場合

・「効果がなければ全額返金保証」と表示しておいて、実際は条件を満たさなければ全額返金されない場合

・価格1,000円で販売する際、「参考価格:¥9,000」 (90%割引) と併記していたが、参考価格に販売実績がなかった場合

有利誤認表示をしてしまったらどうなる?

有利誤認表示広告があると疑われると、消費者庁から、広告内容に合理性があることの証拠や資料の提出が求められます。そして、企業が広告内容の合理性を説明・証明できない場合、「措置命令」が下されます。措置命令の内容には、再発防止措置をとることや、違反があったことを消費者に周知することなどが含まれています。

加えて、課徴金の支払いが命じられます。課徴金額は、問題となる表示をした商品やサービスの売上の3%に、問題となる表示をしていた期間 (最大3年) を掛けた額となります。

おわりに

有利誤認表示をしないためには、広告の表示内容に根拠となる証拠があるかどうか、必ず確認することが大切です。また、現場の判断で表示を決めることも多いので、全社的に「正しい表示の仕方」について知識を共有しておく必要があります。心配なときは、広告を出す前に、専門家にリーガルチェックをしてもらうとよいでしょう。

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