従業員からセクハラ被害を相談されたら、会社としてどのような対応をとるべきでしょうか? 誤った対応をとると会社としての責任を問われる可能性もあるため、迅速かつ適切な対応をとらなくてはなりません。以下では、主な対応ポイントについて説明します。
事実調査
まずは、加害者・被害者双方から事情を聞き、事実関係を正確に確認します。被害者の心情に配慮しつつも、具体的に起きた事実を確認する必要があります。加害者の言い分にもしっかりと耳を傾け、「冤罪」とならないよう、本当にセクハラが行われていたかを慎重に判断します。また、何らかの証拠があれば提出してもらいます(メール、LINEの記録など)。被害者がどのような希望(加害者の謝罪、配置転換、懲戒処分など)を持っているかも確認しておきましょう。
被害者と加害者の隔離
1の調査と並行して、加害者と被害者を引き離す措置をとることを検討します。これを怠ったために被害が拡大した場合、会社の責任が問われる可能性があります。具体的には、座席の移動や配置転換が考えられますが、それが難しい場合は、一時的に自宅待機を命じるなどの方策を講じます。
加害者の処分
事実調査の結果、セクハラの事実が認められた場合、就業規則に基づき、加害者に対する処分を行います。その際、行われたセクハラに対して重すぎる処分を行うと、その処分は「無効」となることがあります。セクハラの程度に応じた適切な処分となるよう注意しましょう。
再発防止
二度と社内でセクハラが繰り返されないよう、再発防止のための措置をとります。既存の防止措置に不十分な点がなかったか見直し、セクハラ防止のための資料を作成・配布したり、研修を行ったりして、セクハラを許さない方針を改めて従業員に周知・啓発します。
おわりに
セクハラは被害者が精神的な傷を負っている場合も多いため、一連の調査においては被害者への配慮を忘れないようにしましょう。対応は少人数で行い、相談内容は絶対に外に漏れないように注意すべきです。セクハラは明白な証拠がないことも多いので、場合によっては、第三者の意見を聴取することも検討してください。
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