実際のところコストはいくらかかるの?「内部通報窓口」の設置と運用

内部通報

法律の改正(公益通報者保護法)により、2022年から大企業では内部通報制度の整備が義務化されます。従業員が300人以下の企業にとっては努力義務ですが、中小企業であっても導入を検討する会社が増えているようです。

しかし、これから導入する企業、とくに中小企業にとっては、内部通報窓口の設置と運用に、どれくらいコストがかかるのか気になるのではないでしょうか?

今回は、内部通報窓口の設置と運用にかかる費用について、確認していきます。

社内に通報窓口を設置する場合

内部通報の窓口は、社内に設置する方法と、社外に設置する方法、さらに社内外いずれにも設置する方法があります。まずは、社内に設置する場合のコストを確認してみましょう。

社内に通報窓口を置く場合、通常、従業員の誰かが担当者となり、通報を受け付けることになると思います。

従業員が担当するため、あまりコストがかからない気がするかもしれません。しかし、下記のような対応が必要となるため、それに伴う負担が生じます。

① 担当者を選出する (ヒヤリングスキルや、ある程度の法律の知識がある人が適任)

② 窓口の整備 (電話やメール、文書など、通報手段を確保する必要がある)

③ 通報があった場合の事実確認や調査

いずれも時間や労力が少なからずかかるうえ、適任の担当者が見つからない可能性もあります。

社外に通報窓口を設置する場合

窓口を社外、つまり法律事務所や民間の専門業者に置く方法があります。

社内窓口は、上記のように担当者の負担が大きく、秘密保持が難しいなどデメリットがあるため、一般的には社外に窓口を設置することが理想的だと考えられています。

しかし、その場合、やはりコストがネックになると言わざるを得ません。

2017年の消費者庁の調査では、 社外に通報窓口を設置していない理由として30%強の企業が「コストがかかる」ことを理由に上げています。

(1) 弁護士事務所に依頼する場合

弁護士に内部通報窓口を依頼する場合、月額制で費用がかかるのが一般的です。費用は弁護士が自由に定めているため、事務所によって異なりますが、相場としては 月額2~10万円程度 であることが多いようです。

会社の規模が大きければそのぶん通報件数も多くなりますので、多くの事務所は、事業規模(社員人数など)に応じて料金を変えています。

(2) 民間の専門業者を利用する場合

最近は、内部通報窓口の代行サービスを提供する業者が増えています。

専門の相談員が通報を受けつけ、従業員のメンタル相談にも応じてくれるほか、法的リスクがある内容の場合は、提携する弁護士が評価したレポートを付けてくれる業者もあるようです。

料金体系は 導入費用5~10万円年間20万円~ くらいかかるようです。もちろん企業規模やオプションの追加などに応じて、さまざまな料金プランが用意されています。

おわりに

内部通報制度を構築する際の、大体の費用感をご紹介しました。

違反発見の効果は「社内と社外に併用」するのが一番高いと言われていますが、まずは無理をせず、対応できそうな手段で、通報窓口を用意してみてはいかがでしょうか。

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